日本のビールはまずい?薄い?理由とヨーロッパビールとの違い


最近、日本のビールがなんだか物足りない……。
味が薄く感じるのは私だけ?
ビール好きな方なら、一度はこう感じたことがあるかもしれません。
この記事では、日本のビールを飲んで「まずい」「味が薄い」と感じてしまう理由を、実際に日本とヨーロッパで数多くのビールを飲んできた視点から解説します。
さらに、ヨーロッパのビールとの違いや、海外からの日本ビールの評価についても触れていきますね。
- 本記事の信憑性
当ブログの筆者はヨーロッパ在住、海外歴5年超。中東での“禁ビール生活”を経て出会った本場の一杯に心を奪われ、気づけば1,000本以上の現地ビールを飲んできました。
元法人営業の情報収集力と、3つのブログ・SNS運営で培った発信力を活かし、「ただの酒好きでは終わらない本気のビール愛」でリアルな情報をお届けします。
じっくりご覧いただけますと幸いです🙇♀️
まず前提:日本のビールは決して低品質ではない
先に大事なことをお伝えします!
この記事は日本のビールが美味しいと思う人を否定するものではなく、「日本のビールは全部まずい」という主張でもありません。
日本のビールは、世界的に見ても品質管理が徹底されていて、衛生面・安定性・流通管理などのレベルは非常に高いです。私自身、日本にいるときは大手メーカーのビールを普通に美味しく飲んでいます。
ただし、ネット上で目にする
「日本のビールは世界一美味しい」
「海外のビールはエールばかり」
といった断言的な情報には疑問を感じています。
実際には、ヨーロッパでもラガーは広く飲まれており、たとえばイギリスではエール系が多いものの、チェコやドイツではラガー系が主流なんです。
だから、「本当に幅広く世界のビールを飲んだ上での発言なのか…?」と感じてしまうのです。
なぜ「日本のビールはまずい」と感じるのか?
理由① スタイルの偏り(ラガー・ピルスナー中心)


日本のビール市場は、大手メーカーがほぼ独占しており、主流はラガー系、それもピルスナータイプがほとんどです。
ピルスナーは世界的にも人気が高く、チェコやドイツでは国民的なビールですが、日本のピルスナーは「喉越し」「軽やかさ」を重視する傾向が強く、モルトのコクやホップの香りは控えめです。
同じピルスナーでも、国によって味は大きく異なります。
地域 | 特徴 |
---|---|
チェコ | 麦芽の甘みとホップの苦味がしっかり |
ドイツ | 香り高く、キレがありつつ風味も濃い |
日本 | 喉越し軽く、淡くあっさり |
実際にこれらを飲み比べると、日本のピルスナーが「薄く」感じられるのも納得です。
理由② 発泡酒・第3のビール文化の影響


日本独自の税制が、ビールの味わいを大きく左右しています。
ビールは麦芽比率が高いほど酒税が高くなるため、メーカーは麦芽使用量を減らした「発泡酒」や「第3のビール」を開発。これらはコストは抑えられますが、味わいも軽くなってしまう傾向があります。
結果として、「日本のビール=軽くてすっきり」が国民的な基準になり、コクの少ないビールに慣れている人も多いのです。
理由③ 料理との相性を重視した味作り


日本のビールは、刺身や天ぷらなど繊細な味の料理と合わせても邪魔をしないよう、あえてクセを抑えています。
これは長所でもありますが、ビール単体で飲むとインパクトが弱く感じられることもあります。
海外の人から見た日本のビールとは?
ヨーロッパで日本のビールを紹介すると、こんな声がよく返ってきます。
- 「クオリティは高い」
- 「とても飲みやすい」
- 「でも個性が弱い」
つまり、良くも悪くも「無難」という印象を持たれているのです。
ヨーロッパビールの主な違い
それに対して、ヨーロッパのビールには一般的に以下のような特徴があります。
1. スタイルの多様性
ヨーロッパでは、ラガーだけでなく、エール、スタウト、ヴァイツェン、セゾン、ランビックなど、多種多様なスタイルが日常的に飲まれています。日本では見かけない濃色や酸味系のビールも豊富です。
一つの国や地域ごとに特色があり、「今日はどんなビールを飲もう?」という選択肢が広いのです。


2. 味の主張
ヨーロッパのビールは、モルトやホップの個性を前面に出す傾向があります。苦味も香りも強く、「一口で特徴がわかる」ビールが多いです。
これに対して、日本の大手ビールは「誰でも飲める」ことを優先し、特徴を削ぎ落としているものが多いです。


3. アルコール度数とボディ感
日本のビールは5%前後が標準ですが、ヨーロッパでは7%を超えるビールも珍しくありません。
アルコール度数が高いほどボディ(飲みごたえ)も強くなり、日本の軽いビールに物足りなさを感じる原因の1つになっています。


日本のビールが「まずい」と感じたら試してほしいこと
- 料理に合わせるビールを変える
刺身にはあっさり系、肉料理にはコクのあるエール、といった使い分けでビールの印象が変わります。
- クラフトビールを飲んでみる
日本国内でも近年クラフトブルワリーが増え、IPAやペールエール、ポーターなど多彩なスタイルが手に入ります。
- 海外ビールを飲んでみる
チェコのピルスナーやドイツのヴァイツェン(白ビール)、ベルギーのトラピストビールなど、日本のビールとは全く異なる味わいを楽しむことができます。
まとめ
- 日本のビールは品質は高いが、味のバリエーションが少なく、コク控えめ
- ラガー・ピルスナー偏重や税制の影響で「薄い」と感じやすい
- ヨーロッパでは多様なスタイルと個性ある味わいが日常的
- 「まずい」と感じたら、クラフトや海外ビールで新しい味に出会える
「日本のビールはまずい?」という疑問は、あなたの舌のせいではなく、文化と市場の特徴によるものです。
一度ヨーロッパやクラフトビールの世界に触れてみれば、日本のビールをあえて選ぶ理由や、その独自の良さも見えてくるはずです。ぜひ色々なビールを楽しんでみてくださいね。