
いつもと違うビールを楽しんでみたいけど、何を選んだらいいかわからない!
ビールにはどんな種類があるの?
こんな疑問にお答えします。
- ビアスタイルとは何か
- ビールの代表的なスタイルとその違い
- それぞれに合ったビアスタイルの選び方
私はこれまで海外に暮らし、さまざまな種類のビールを飲んできました。特にヨーロッパでは、日本とは異なる多彩なビール文化に触れる機会がたくさんあります。そこで学んだことをもとに、ビールの種類について解説していきます。これを読めば、次に飲むビール選びがぐっと楽しくなるはずですよ。



私はある晩、友人とヨーロッパの小さなパブに足を運び、地元のラガーとエールを試してみました。ラガーの爽やかな苦味とエールのフルーティーで深い味わいの違いに驚き、ビールの奥深さを改めて実感しました。
その経験がきっかけで、さらにビールの種類に興味を持ち、どんどん新しいスタイルを試すようになりました!
そもそもビアスタイルとは?


ビアスタイルとは、ビールの味や香り、色、製造方法などの特徴によって分類されたビールの種類のことです。
ビールは、原料、発酵方法、アルコール度数、味わい、色合いなど様々な要素によって異なります。
これらの違いを理解しやすくするために、ビールはスタイルごとに分類されています。
まず、大きく「ラガー」と「エール」という2つの代表的なスタイルに分けられます。
さらに、この2つのスタイルの中に、たくさんのビアスタイル(種類)が存在しています。
以下の画像は、そんな中から主要なビアスタイルを紹介したものです。


ビアスタイルの総数は定義や地域ごとによって異なりますが、世界には100種類以上のビアスタイルが存在するとされています。
これは、醸造方法や原材料、地域の伝統、歴史的背景によってバリエーションが豊富なためです。
例えば、国際的なビールの審査会やガイドラインを提供する組織「BJCP(Beer Judge Certification Program)」では、ビアスタイルを100種類以上に分類しています。
また、「クラフトビール協会」や「World Beer Cup」でも細かなスタイルの分類が行われています。


全てのビアスタイルを覚えることは難しいですが、主要なものだけでも理解しておくことで、自分好みのビールを見つける手助けになりますよ。
新しいビールを試す楽しみも広がりますね。
2つの代表的なビアスタイル「ラガー」と「エール」の違い
前述の通り、ラガーとエールは、ビールを大きく分けたときの2つの代表的なスタイルです。
この2つは、発酵温度や酵母の種類が異なるため、味わいや香りにも大きな違いがあります。
以下、それぞれの違いをわかりやすく比較表にまとめました。
項目 | ラガー (Lager) | エール (Ale) |
---|---|---|
発酵温度 | 低温発酵(7〜13℃) | 高温発酵(15〜24℃) |
発酵方法 | 下面発酵(酵母が底に沈む) | 上面発酵(酵母が上に浮かぶ) |
発酵期間 | 長期間(数週間〜数ヶ月) | 短期間(数日〜数週間) |
味わい | すっきり、クリーン、シャープな味わい | フルーティーで、複雑な風味 |
色 | 通常は淡い色から黄金色、黒いラガーも存在 | 幅広い色(淡色から濃色まで) |
主なビアスタイル | ピルスナー、ヘレス、ドゥンケル、シュヴァルツビア | ペールエール、IPA、スタウト、ヴァイツェン |
一般的なアルコール度数 | 4〜6% | 4〜7% |
保存方法 | 冷蔵が必要 | 常温保存が可能(発酵後) |
歴史的起源 | 19世紀にドイツで確立 | 古代エジプトや中世ヨーロッパから伝統的に存在 |
より細かいビアスタイル一覧


「ラガー」と「エール」から派生するたくさんのビアスタイルには、それぞれに独自の魅力があり、好みに合わせて楽しむことができます。
以下の表で、代表的なビアスタイルごとのアルコール度数、特徴、代表銘柄をまとめました。
ラガーの代表的なビアスタイル
ビアスタイル | アルコール度数 | 特徴 | 代表銘柄 |
---|---|---|---|
ピルスナー (Pilsner) | 4〜5% | すっきりとしたホップの苦みとクリアな味わい。爽やかで軽快。日本で最も多く消費されるビアスタイル。 | ピルスナーウルケル(チェコ)、ベックス(ドイツ)、アサヒ スーパードライ |
ヘレス (Helles) | 4.5〜5.5% | ピルスナーより甘く、モルト感が強い。軽やかな飲み心地。 | アウグスティーナー・ヘレス(ドイツ) |
メルツェン (Märzen) | 5.0〜6.0% | モルトのコクと甘さが特徴。オクトーバーフェストで提供されるビール。 | パウラーナー・オクトーバーフェスト(ドイツ) |
ドゥンケル (Dunkel) | 4.5〜5.5% | ローストしたモルトの甘みとカラメル風味。ダークラガー。 | フランツィスカーナー・ドゥンケル(ドイツ) |
ボック (Bock) | 6〜7% | 濃厚で甘みがあり、アルコール度数が高め。冬に人気のビール。 | アイエンガー・セレブレーター(ドイツ) |
シュヴァルツ (Schwarz) | 4.5〜5% | 黒ビールで、ロースト感とチョコレートのような風味。 | ケストリッツァー・シュヴァルツビア(ドイツ) |
ウィーンラガー (Vienna Lager) | 4.5〜5.5% | バランスの取れたモルトの甘さと軽い苦みが特徴のアンバー色ビール。 | サミュエル・アダムス・ボストンラガー(アメリカ) |
エールの代表的なビアスタイル
ビアスタイル | アルコール度数 | 特徴 | 代表銘柄 |
---|---|---|---|
ペールエール (Pale Ale) | 4.5〜6.0% | フルーティーで軽やかな味わい。バランスの良いホップとモルトの風味。 | シエラネバダ・ペールエール(アメリカ)、 |
IPA (インディアペールエール) | 5.5〜7.5% | ホップの強い苦みと柑橘系の香りが特徴。クラフトビールの定番。 | ブリュードッグ・パンクIPA(スコットランド) |
アンバーエール (Amber Ale) | 4.5〜6.0% | 琥珀色のビールで、モルトの甘さが際立ち、軽い苦みがバランスを取る。 | メンフィス・アンバー(アメリカ) |
スタウト (Stout) | 5〜8% | 焙煎モルトの深みと、コーヒーやチョコレートのような濃厚な味わい。 | ギネス(アイルランド) |
ポーター (Porter) | 5〜7% | スタウトより軽く、キャラメルやチョコレートの風味が豊か。 | フラーズ・ロンドンポーター(イギリス) |
ヴァイツェン (Weizen / Wheat Beer) | 4〜5.5% | バナナやクローブの香りが特徴。口当たりが柔らかい小麦ビール。 | ヴァイエンステファン・ヘーフェヴァイツェン(ドイツ) |
サワー (Sour) | 3〜6% | 酸味が特徴のフルーティーなビール。爽やかな味わい。 | カンティヨン・グーズ(ベルギー) |
ゴーゼ (Gose) | 4〜5% | 塩味と酸味のバランスが特徴的なドイツの伝統ビール。 | ライプツィッヒ・ゴーゼ(ドイツ) |
トラピストエール (Trappist Ale) | 6〜12% | 濃厚で複雑な味わい。修道院で醸造されるベルギーの伝統的エール。 | ロシュフォール(ベルギー)、シメイ(ベルギー) |
どんな人に向いてる?ビアスタイルのおすすめ 10選


- 初心者の人に → ピルスナー(Pilsner)
すっきりとした味わいで飲みやすく、食事にも合わせやすい。 - モルトの甘みを楽しみたい人に → ヘレス(Helles)
甘めの味わいが特徴で、ビールのコクを感じることができる。 - 秋の味覚や祭りを楽しむ人に → メルツェン(Märzen)
オクトーバーフェストで親しまれるビールで、特に秋に人気。 - ロースト感のあるビールが好きな人に → ドゥンケル(Dunkel)
ダークモルト(高温で焙煎した麦芽)の風味が豊かで、深い味わいを楽しめる。 - しっかりした味わいを求める人に → ボック(Bock)
濃厚でアルコール度数が高めなので、特別なシーンにぴったり。 - フルーティーで飲みやすいビールを求める人に → ペールエール(Pale Ale)
ホップの香りが豊かで、軽快な飲み口が特徴。 - ホップ好きやクラフトビール愛好者に → IPA(インディア・ペール・エール)
強い苦みと豊かな香りが楽しめるため、ホップの風味を楽しむ人に最適。 - 濃厚な味わいが好きな人に → スタウト(Stout)
焙煎モルトやチョコレートの風味があり、デザート感覚で楽しめる。 - フルーティーで爽やかなビールを求める人に → ヴァイツェン(Weizen)
バナナやクローブの香りが特徴で、夏にぴったりのビール。 - 複雑な風味を楽しみたい人に → トラピストエール(Trappist Ale)
ベルギーの修道院でのみ造られるビールで、濃厚で深い味わいが特徴。特別なシーンに最適。
まとめ
ビールの世界は非常に多様で、ラガーとエールの違いを知るだけでも、その楽しみ方がぐっと広がります。
この記事で紹介したビアスタイルを参考に、ぜひ新しいビールに挑戦して、それぞれの個性的な味わいや香りを楽しんでみてくださいね。
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