
フラーズ ESBは、(Extra Special Bitter)の略。「ビターの王様」と称される、イギリス・ロンドンを代表するプレミアムエール。
ホップの効いたビター感がしっかり感じられつつ奥深い味わいで、多くのビール愛好家に支持され続ける一本です!





私がESBを飲んだ感想は、想像以上に“ビター”で驚きの一杯!
口に含んだ瞬間はふくよかなモルトの香りが広がるのですが、その直後にガツンとくるホップの苦味が舌にピリピリと残って、「これぞブリティッシュ・ビター!」という強烈な個性を感じました。
さらに印象的だったのは、その後にやってくる深みとコク。
最初はちょっと苦すぎるかな?と思ったけれど、じっくり飲んでいるうちにモルトの甘さとのバランスがじわじわと感じられてきて、まるでビールと会話しているような不思議な感覚に♪
“イギリスのパブの奥深さ”を教えてくれるビールでした!
オススメ度:★★★★★(5/5)
イギリスの伝統とクラフトビールの完成形が詰まったようなこの一本は、濃厚なモルトのコクと力強い苦味が特徴。飲めば飲むほど、奥行きのある深い味わいに引き込まれます。
フラーズの代表作「LONDON PRIDE」が繊細で親しみやすいのに対し、ESBはまさに“重厚で堂々たるクラシックエール”。どちらも甲乙つけがたい英国ビールの名品です。


フラーズのロンドンプライドが気になる方は以下の記事へ


FULLER’S ESB(イーエスビー)の基本情報


ビールの種類 | エクストラ・スペシャル・ビター(ESB) |
---|---|
アルコール度数 | 5.9% |
原産国 | イギリス |
発売年 | 1971年 |
色 | 深い琥珀色 |
味わい | 力強い苦味とモルトのコク、ほのかなスパイス感 |
特徴 | 数々の賞を受賞したフラーズの代表的エール、ビターの頂点と称される |
ESBの味わいは、ビスケットのような麦芽のコクに、ほんのりチョコレート。マーマレード由来のやや甘くてほろ苦い風味も広がり、最後にはスムーズで繊細な苦味が心地よく残ります。
使用されているホップやモルトは、フルーティーな香りと香ばしいコクを引き出すために厳選されたものばかり。
複雑な風味が感じられるのに、全体のバランスが良く、驚くほどなめらかで飲みやすい仕上がりになっています。
\ ビターを愛する人にはたまらない一杯 /


FULLER’S ESB(フラーズ・ESB)の誕生秘話


ロンドン西部チジック(CHISWICK)では、350年以上前からビール造りが行われてきました。17世紀後半にはベッドフォードハウスやトーマス・ウーリンの家にあった小さな醸造所が、この地域のビール文化の原点でした。
この流れを引き継ぎ、ウーリンの義理の息子であるトーマス・モーソンが経営を引き継ぎ、ジョージ・パブと隣接する家、さらにはベッドフォードハウスの醸造所を買収。ここから本格的な醸造所の歴史が始まります。
18世紀後半にはトンプソン兄弟が経営を引き継ぎ、1816年には現在のシンボルでもある「グリフィン」の名前とエンブレムを採用。この時期に醸造所のブランドが確立されていきました。
その後、経営難に直面した醸造所を救ったのが、裕福な紳士ジョン・フラー。彼が出資し、のちに息子のジョン・バード・フラーが経営を主導。さらに、ジョン・スミスとジョン・ターナーが加わり、1845年に現在の社名「Fuller, Smith & Turner(フラー・スミス&ターナー)」が誕生しました。
1930年には「チジック・ビター」、1950年代には看板商品「ロンドン・プライド」、そして1971年にはフラーズを代表するビール「ESB」が登場。どのビールも高く評価され、イギリス国内外で多くの賞を受賞しました。
ESBは当初、冬季限定のビールとして提供されていましたが、その人気の高さから通年販売へと切り替えられました。
現在はAsahi UK Ltdの一部として、伝統を守りながらも革新を続け、世界中のビールファンを魅了し続けています。
世界的な評価と影響


FULLER’S ESBは、「World Champion Beer」を2度、「CAMRA Best Strong Ale」を7度も受賞している、名実ともに英国を代表する名作ビールです。
また、ESBの成功は、ビールスタイルとしての「Extra Special Bitter(略してESB)」の確立にも寄与し、世界中の醸造所がこのスタイルのビールを製造するきっかけとなりました。



FULLER’S ESBは、伝統と革新が融合したビールであり、その誕生はビール業界に新たなスタイルをもたらしたというわけですね!
FULLER’S ESB(フラーズ・ESB)ラベルの秘密


ESBのラベルは、重厚感のあるネイビーブルーとゴールドの組み合わせが印象的。
フラーズの伝統を象徴するグリフィンのロゴとともに、「CHAMPION ALE」や「ESB」の文字が堂々と配されています。
伝統と格式を感じさせながらも、どこか親しみやすい雰囲気もあり、まさに“英国の誇り”を詰め込んだような一本です。
日本でのFULLER’S ESB(フラーズ・ESB)の位置付け
ESBは日本でも輸入されており、一部の英国パブやクラフトビール専門店で取り扱いがあります。
ただし流通量は決して多くないため、見かけたらぜひ試しておきたい一本です!
\ ESBを一本から♪ /
FULLER’S ESB(フラーズ・ESB)の味わい方とおすすめ料理
適温
飲み頃温度は10度前後。
冷やしすぎず、香りとコクをしっかり楽しめる温度でどうぞ。
まさに、じっくり味わいたい“大人のエール”です。
ESBに合うおすすめ料理
このコクくリッチな味わいは、以下のような料理と相性抜群です。
おすすめカテゴリー | 具体例 | ESBとの相性ポイント |
---|---|---|
ロースト系の肉料理 | ローストビーフ、ローストポーク | 香ばしい肉のうま味と、ESBの麦芽のコクがよく合う |
ソーセージやシチュー | バンガーズ&マッシュ ビーフシチュー グレイビー系煮込み料理 | 濃厚な味わいに、ESBのリッチな風味が絶妙にマッチ |
チェダーチーズ | 熟成タイプのチェダーチーズ | ビターな余韻とチーズの塩味が引き立ち合い、極上のおつまみに |
グリル野菜 | グリル野菜 きのこソテー | ホップの草っぽさと野菜の香ばしさが好相性でベジタリアンにもおすすめ |


まとめ
FULLER’S ESBは、力強い苦味とモルトの深みが印象的な、まさに「芸術的なビール」。
フラーズならではのブリティッシュクラフトの真髄が詰まった一本で、特にじっくり味わいたい夜にぴったりです。
「ロンドンプライド」が好きな方にはもちろん、「もっとコクと苦味を楽しみたい!」というビールファンにも自信を持っておすすめできる伝統エールなので、ぜひ試してみてくださいね♪