
O’Hara’s(オハラズ)は、1996年に設立されたアイルランドのクラフトビールブランド。
伝統のアイリッシュスタイルをベースに、現代的な感性を織り交ぜた多彩なクラフトビールを展開し、国内外で高く評価されています。



今回はその中から、「アイリッシュスタウト」に次いで知名度・評価ともに高い「アイリッシュペールエール」を中心にご紹介します♪
オハラズのペールエールを
実際に飲んでみた!





私がこのビールを飲んだ印象は……
オハラズのスタウトとはまったく違う魅力を放っていました。
琥珀色の液体から立ちのぼるのはシトラス系ホップのフレッシュな香り。
ひと口でピリッとした苦味と軽やかな甘みが広がり、飲み心地は驚くほど爽快!
伝統に縛られないクラフトなIPAで、アイルランドの新しい一面を感じさせてくれる1本です♪
オススメ度:★★★★☆(4/5)
記事内リンク
同じくオハラズの
アイリッシュスタウトの紹介記事
O’Hara’s(オハラズ)アイリッシュペールエールの基本情報


ビールの種類 | アイリッシュペールエール |
---|---|
アルコール度数 | 5.2% |
原産国 | アイルランド |
色 | 琥珀色 |
味わい | 柑橘系ホップの香り、シャープな苦味、ほんのりキャラメル感のある甘み |
特徴 | 伝統とモダンが融合したIPA。アイリッシュクラフトの進化系。 |
一方で、O’Hara’s Irish Pale Ale(アイリッシュ・ペールエール)は、従来のアイリッシュビールとは一線を画す、革新的なラインとして位置づけられています。
アイルランドの伝統的な醸造技術に、アメリカンスタイルのドライホッピングを掛け合わせた、まさにハイブリッドなIPAです。
シトラスやトロピカルフルーツを思わせる華やかな香りが印象的で、苦味はほどよく控えめ。飲みやすく洗練された味わいで、新世代のアイルランドビールを象徴する、挑戦的かつ戦略的な一本と言えるでしょう。


オハラズのビールには
他にもたくさんのラインナップが


O’Hara’sでは、ここでご紹介した以外にも多数のユニークなビールを展開しています。詳細は公式サイトでご覧いただけます。
ペールエールとは?
「ペールエール(Pale Ale)」は、淡い色合いとバランスの取れた味わいが特徴の、イギリス発祥の伝統的なビールスタイルです。名前の通り、ラガーのような黄金色よりも少し濃い琥珀色〜銅色をしており、麦芽の甘みとホップの香り・苦味のバランスが絶妙に仕上げられています。
18世紀のイギリスで誕生したこのビールは、当時の「濃い色のエール(ブラウンエール)」に対して“淡い=ペール”という意味で名づけられました。以降、英国ビールの中核を担う存在となり、さらに19世紀には海外への輸出向けにホップを強化した「IPA(インディア・ペールエール)」が生まれるなど、多くの派生スタイルも誕生しています。
近年では、イギリスの伝統的なペールエールだけでなく、アメリカやその他の国で造られるアメリカン・ペールエール(APA)やクラフトスタイルのIPAなども人気。柑橘系ホップを使った爽やかな香りや、しっかりとした苦味を活かしたものが多く、「クラフトビールの入口」として親しまれています。
ペールエールの代表的な銘柄
ペールエールの代表的な銘柄には、イギリス系の伝統派と、アメリカを中心としたクラフト系の両方があります。以下に代表例をいくつかご紹介します。
ビール名のリンクから詳細記事へ
イギリスの代表的なペールエール銘柄
- バス・ペールエール(Bass Pale Ale)
世界で最も有名なペールエールの一つ。1870年代にはイギリスで最大のビールブランドだった歴史も。モルトとホップのバランスが良く、飲みやすさが魅力。 - フラーズ ESB(Fuller’s ESB)
「エクストラ・スペシャル・ビター」というスタイルで、ペールエールの発展系。まろやかな甘みと上品な苦味が絶妙。 - ロンドン・プライド(London Pride)
同じくフラーズ醸造所による看板商品。スタイルは「プレミアム・ビター」で、トーストしたモルトの甘みと穏やかな苦味、繊細なバランスが光る英国定番のエール。パブでも定番の一本。
アメリカ発の代表的なクラフト系ペールエール
シエラネバダ ペールエール(Sierra Nevada Pale Ale)
アメリカン・ペールエール(APA)の先駆け。グレープフルーツや松のようなホップの香りと、軽快な苦味が特長。クラフトビールブームの立役者的存在です。


もっと詳しく知りたい方へ
「苦そう」「ホップが強くて飲みにくそう」と思われがちなペールエールですが、実は柑橘系の香りが爽やかだったり、モルトの甘みが感じられたりと、驚くほど奥深いスタイル。軽快で飲みやすいものから、しっかり苦味のあるタイプまで、幅広い個性が楽しめます。
ちなみに、ペールエールは「エールビール」という大きなカテゴリのひとつ。エール全体の特徴やスタイルの違いを知っておくと、ペールエールの魅力もさらに見えてきます。
詳しくは、以下のエールビール解説記事をご覧くださいね。


O’Hara’s(オハラズ)の醸造所とアイルランドビールの歴史
O’Hara’sのビールは、「Carlow Brewing Company(カーロウ・ブルーイング・カンパニー)」という醸造所で作られています。
ここはアイルランドのカーロウという町にあり、豊かな自然環境とモルト大麦の産地として知られる地域なんです。こうした恵まれた土地で、O’Hara’sの個性あふれるビールが生まれています。


アイルランドのビール造りは、古くからの豊かな伝統を持ち、時代とともに多様なスタイルへと進化してきました。かつてはホップを使わずに醸造されたエールが主流で、18世紀には黒ビールのポーターが人気を博しました。
当時、アイルランド各地には多くの醸造所が点在し、それぞれの地域ごとに独自の味わいのビールが作られていました。中でもカーロウ地方は、肥沃な土地で高品質なモルト大麦の産地として知られており、バロー川沿いには当時のモルトハウスの建物も今なお残っています。昔は川や運河を使ってビールやウイスキーの原料が運ばれていたのです。
しかし19世紀以降、伝統的なアイルランドの醸造業は衰退し、市場は大手国際ブルワリーに占められるようになりました。そんな中、1980年代にイギリスやアメリカで始まったクラフトビールの復興の波が、1990年代にアイルランドにも波及します。
O’Hara’sの創業者たちは、この新たなクラフトビールの時代をアイルランドに根付かせようと、マイクロブルワリー文化(=小規模な醸造所)の再生を目指しました。現在、アイルランドでは数多くのマイクロブルワリーが個性豊かなビールを生み出し、多様な味わいを楽しめるようになっています。
毎年開催される「アイリッシュ・クラフトビール&サイダーフェスティバル」では、国内外のブルワリーが一堂に会し、活気あふれるビール文化を祝福します。O’Hara’sもその先頭に立ち、クラフトビールの新しい可能性を追求し続けています。



現在、アイルランドのクラフトビールは消費者の多様なニーズに応えながら急速に成長しています。
パブや酒屋では豊富なラインナップが揃い、今後ますます注目を集める存在になっているんですよ!
O’Hara’s(オハラズ)のラベルとデザインに込められた意味


O’Hara’sのラベルは、独特のロゴとシンプルで洗練された配色が特徴。
ペールエールは爽やかな黄緑のような色で、ビールの個性を色彩で伝えてくれます。
中央に配置されたケルト模様のようなシンボルは、「アイルランドの文化的ルーツ」と「クラフトマンシップの誇り」を象徴しているように感じられます。
ケルト模様とは?


古代ケルト人が作り出した独特の装飾デザイン。渦巻きや複雑に絡み合う線(ノットワーク)が特徴で、自然や生命の象徴としても使われてきました。
アイルランドの伝統文化を代表する模様で、今もアクセサリーやアートに広く取り入れられています。
日本におけるO’Hara’s(オハラズ)の人気と入手方法
O’Hara’sはまだ日本ではギネスほど広く知られていませんが、近年クラフトビール専門店や輸入酒を扱う店舗、ネット通販などでじわじわと人気が高まっています。
O’Hara’s全体の価格帯は、日本の輸入クラフトビールとしては比較的お手頃。24本入りで8〜9千円台という価格は、クラフトビールとしてはリーズナブルなんです。



アイルランドの伝統とクラフト精神を感じられるビールを、手頃な価格で楽しみたい方にぴったりのブランドですね!


このレッドエールは、鮮やかな赤褐色がひときわ目を引きます。
カラメル麦芽がもたらす甘く香ばしいコクに加え、ほのかにローストされた麦芽の奥深い風味が感じられます。苦味は穏やかで、リンゴやベリーを思わせるフルーティーな香りがやさしく広がり、口当たりはなめらかで柔らかな味わいが楽しめます。



食事との相性も抜群で、いつものビールとはひと味違う奥深い風味を味わえますよ♪
O’Hara’s(オハラズ)の味わい方とペアリング
飲み頃温度
適温は8〜10℃。
ペールエールは少し冷やしてスッキリ飲むのが◎。
おすすめグラス
チューリップ型グラス
適切なグラスで飲むと、泡持ちや香り立ちがよくなり、より豊かな味わいになりますよ。
おすすめな料理、ペアリング
料理ジャンル | おすすめポイント |
---|---|
グリルチキン・ローストチキン | ホップの爽やかな苦みとフルーティーな香りが鶏肉の旨みを引き立てる |
フィッシュ&チップス | サクサク衣と淡白な白身魚にペールエールのキレの良い苦味がマッチ |
カレー料理 | スパイシーな味わいをやわらげつつホップの香りが味を引き締める |
バーガー・サンドイッチ | ジューシーな肉と濃厚ソースに爽快な苦みがアクセントになる |
チーズ全般(チェダー・ゴーダ) | 苦味と香りがチーズのコクや塩気とバランス良く調和 |
ピザ(マルゲリータ・ペパロニ) | トマトの酸味とチーズの旨味を苦味が引き立てて食欲アップ |
まとめ
ペールエールはほどよい苦味と豊かなフルーティーさが魅力のビールです。食事との相性も良く、さまざまな料理と合わせて楽しめます。O’Hara’sのペールエールは伝統と革新を感じさせる味わいで、多くのビールファンに愛されています。
初めての方も気軽に試せるおすすめの一本なので、ぜひ飲み比べて楽しんでみてくださいね♪