オクトーバーフェストで飲む「メルツェンビール」って、一体どんなビールなのか知ってますか?
その特徴や魅力について解説します!
私は、秋のヨーロッパ旅行で、オクトーバーフェストに足を運んだことがあり、その時に初めて現地のメルツェンビールを楽しみました。
香ばしくてコクのあるメルツェンは、涼しい秋の空気の中で味わうと格別。現地の人たちと肩を並べて乾杯しながら飲むと、まるでビールの歴史や文化が一緒に流れ込んでくるような感覚になりました。
季節のビールを一緒に楽しむことで、改めてビールの魅力を感じました!
メルツェンビールとは?
メルツェン(Märzen)ビールは、ドイツの伝統的なビールの一つで、その名前は「3月」を意味する「März」に由来しています。このビールが生まれた背景には、中世のドイツにおける特別な醸造習慣があります。
醸造のタイミング
昔のドイツでは、夏の暑さがビールの品質に影響を与えるため、醸造所は春の早い時期にビールを作ることが一般的でした。特に3月の終わりから4月にかけて、冬の間に備蓄していた麦芽を使ってビールが醸造されました。このため、メルツェンビールは春に作られるビールとして知られています。
保存の工夫
メルツェンビールは、醸造された後、夏を越すために保存される必要がありました。そのため、モルトの風味が豊かで、アルコール度数が高めのビールが選ばれることが多かったのです。こうすることで、ビールの品質を保ちつつ、秋の収穫祭やお祭りで楽しむことができました。
オクトーバーフェストとのつながり
メルツェンは、特にオクトーバーフェストなどのイベントで重要な役割を果たしています。オクトーバーフェストは、毎年ミュンヘンで開催される世界最大のビール祭りで、通常9月から10月にかけて行われます。この祭りでは、地元の醸造所が製造した特別なメルツェンビールが提供され、来場者は多種多様なビールを楽しむことができます。オクトーバーフェストのメルツェンは、特に高品質で、香り豊かであり、ビール愛好者にとって一度は味わいたい特別な存在です。
メルツェンビールの製法
メルツェンビールは、以下のような独特の製法で醸造されます。
- 醸造時期
メルツェンビールは通常、春に醸造されます。これは、夏の高温によりビールが傷むのを避けるための伝統から来ています。 - 使用する麦芽
主にピルスナー麦芽とカラメル麦芽が使われ、リッチなモルトの甘さと深い色合いが生まれます。 - 発酵温度
メルツェンビールではラガー酵母を使用しつつも、発酵温度を通常のラガービールより高めに設定することで、特有のリッチで風味豊かな味わいを引き出しています。この製法が、メルツェンビールの魅力の一つです。 - 熟成期間
通常のビールは数週間程度の熟成期間を設けますが、メルツェンビールは数ヶ月の熟成期間を経てから提供されます。
熟成による効果
メルツェンビールの熟成が長くなると、以下のような変化が現れます。
- 風味の深まり
モルトの甘さや香ばしさが引き立ち、より複雑な味わいが楽しめます。 - 滑らかな口当たり
熟成が進むと、口当たりが滑らかになり、より飲みやすくなります。 - 香りの変化
フレッシュなホップの香りが少なくなり、モルトの香ばしさが強調されます。 - 色の変化
熟成によって色合いが深まり、濃い琥珀色や銅色になります。 - 炭酸の感じ方
炭酸感が和らぎ、よりクリーミーな口当たりになります。 - ホップの風味の減少
モルトの風味がより支配的になり、全体のバランスが変わります。
ただし、熟成には限界があり、長すぎると風味が劣化し、酸化の影響を受けることがあります。メルツェンビールは通常、醸造後6ヶ月から1年以内に飲むことが推奨されていますが、高品質なものは長めに熟成させることで独自の味わいを楽しむことができます。
秋だけじゃなく年中飲める缶のメルツェン
醸造されたメルツェンビールは、熟成期間を経た後に缶詰されます。缶詰後は、特に長い保存が可能で、品質を保ちながら消費者に提供されます。一度缶詰されたメルツェンは、年中販売されることが多く、消費者はいつでも楽しむことができます。さまざまなブランドが年中メルツェンを製造・販売しているため、手に入れやすくなっています。
オーストリアの国民的ビール「Gösser」もメルツェンビールの一つです。
まとめ
メルツェンビールは、その製法や熟成過程によって独自の魅力を持ち、特にオクトーバーフェストでの楽しみ方が際立ちますが、年間を通じて楽しむことができるビールです。豊かな風味と深い味わいをぜひ楽しんでみてくださいね。秋の祭りや特別な日の乾杯にぴったりのビールです。
コメント