
O’Hara’s(オハラズ)は、1996年に設立されたアイルランドのクラフトビールブランド。
伝統的なアイリッシュスタイルに現代風のひねりを加えた多彩なビールを生産し、国内外で高い評価を受けています!



今回はその中から、ブランドの”顔”ともいえる定番の「アイリッシュスタウト」を中心にご紹介します♪
オハラズのスタウトを
実際に飲んでみた!





このビールを飲んだ私の印象は……
グラスに注いだ瞬間、その漆黒の色味ときめ細かいクリーミーな泡に思わず「これは重いかも」と身構えたのですが、いい意味で裏切られました!
口に含むとローストした麦芽の香ばしさがふわりと立ち上がり、まるでエスプレッソとビターチョコを合わせたようなコク。アルコール4.3%とは思えない飲みごたえで、ギネスよりも焙煎感がくっきり!
「もうひとつのアイルランドの黒」と呼びたくなる1杯です。
オススメ度:★★★★☆(4.5/5)
記事内リンク
同じくオハラズの
”アイリッシュペールエール”の紹介記事
O’Hara’s(オハラズ)アイリッシュスタウトの基本情報


ビールの種類 | アイリッシュスタウト |
---|---|
アルコール度数 | 4.3% |
原産国 | アイルランド |
色 | スタウト:黒 |
味わい | ロースト香、ビターチョコのようなコク、クリーミーな口当たり |
特徴 | アイルランド伝統のスタウトをクラフトで再現。香ばしさが際立つ一本 |
O’Hara’s Irish Stout(アイリッシュ・スタウト)は、1999年の登場以来、O’Hara’sブランドの看板商品として長く愛されてきたフラッグシップビールです。
創業初期から造られており、まさにこのブルワリーの伝統と哲学を体現する一本。アイルランドの伝統的なドライスタウトスタイルを基盤にしながらも、モダンな感覚で仕上げられており、その品質の高さはInternational Brewing Awards金賞など、数々の国際的な受賞歴にも表れています。
ロースト麦芽の香ばしい深みと、クリーミーでなめらかな口当たりが魅力で、ギネスに代表される伝統的スタウトとは異なり、クラフト感あふれる“もう一つのアイルランドスタウト”として存在感を放っています。


オハラズのビールには
他にもたくさんの種類があります


この画像に載っている以外にもたくさんの種類のビールが発売されています。興味があれば、O’Hara’sの公式サイトを覗いてみてくださいね。
スタウトって何?


スタウトは18世紀のイギリスで誕生した「ポーター」という黒ビールから派生したスタイルで、黒ビールの代表格。
「Stout」とは英語で「強い」「がっしりした」という意味。
もともとは「スタウト・ポーター(Stout Porter)」=「強めのポーター」という言い方をしていましたが、やがて”スタウト”単独で呼ばれるようになりました。
スタウトの特徴
スタウトの最大の特徴は、焙煎した麦芽から生まれる香ばしさと深いコクにあります。
- 香り
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コーヒーやビターチョコ、焦がしキャラメルのような香り
- 味わい
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苦味がありつつも、なめらかで飲みごたえのあるボディ
- 色
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黒~濃いダークブラウン
- 泡
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きめ細かく、クリーミーで長持ちする泡



見た目からは想像できないほど、軽やかで飲みやすいスタウトも多くありますよ。
スタウトにはいろいろな種類がある
一口にスタウトといっても、そのスタイルによって味わいや飲み口はさまざま。代表的なタイプは以下の通りです。
スタイル | 特徴 |
---|---|
ドライスタウト | 最もスタンダード。ギネスに代表されるキレのある辛口タイプ |
オートミールスタウト | オーツ麦を使い、まろやかでやさしい口当たりが特徴 |
ミルクスタウト | 乳糖を加えて甘みを出したスタウト。デザート感覚でも楽しめる |
インペリアルスタウト | アルコール度数が高く、濃厚で重厚。長期熟成にも向く贅沢なタイプ |
スタウトの代表的な銘柄
世界中に多くのスタウトがありますが、O’Hara’s以外でおすすめしたいのが、以下の2本。どちらもスタウトの魅力を存分に味わえる名作です。
ビール名のリンクから詳細記事へ
- ギネス・ドラフト(Guinness Draught)
アイルランドを代表する世界的ビールブランド「ギネス」の定番スタウト。クリーミーな泡と滑らかな飲み口が特徴で、ローストした麦芽の香ばしさが心地よく広がります。アルコール度数は4.2%。窒素ガスによるきめ細かい泡も大きな魅力で、パブ文化の象徴的な存在です。ドライスタウトの元祖とされ、多くのスタウトの指標にもなっています。 - サミュエル・スミス オートミールスタウト(Samuel Smith’s Oatmeal Stout)
イングランドの老舗ブルワリー「サミュエル・スミス」による、オートミール入りのクラシックスタウト。オーツ麦由来のまろやかさと、ロースト麦芽の深い香ばしさが絶妙に調和しています。甘すぎず、飲みごたえがありながらも口当たりは優しい。19世紀に流行した“オートミールスタウト”を現代に蘇らせた名品です。
どちらも、スタウトの世界を知るうえで外せない1本。飲み比べてみると、それぞれのスタイルや個性がよりはっきりと感じられます。気になった方はぜひ試してみてくださいね。
もっと詳しく知りたい方へ
「黒くて苦そう」「重たそう」と思われがちなスタウトですが、実際は軽やかだったり、甘みがあったりと、とても奥深いスタイルなんです。
スタウトや黒ビールについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にどうぞ。


O’Hara’s(オハラズ)の醸造所とアイルランドビールの歴史
O’Hara’sの醸造所の正式名称は「Carlow Brewing Company(カーロウ・ブルーイング・カンパニー)」です。
この醸造所はアイルランドのカーロウという町にあり、O’Hara’sブランドのビールを製造しています。カーロウはアイルランドでも特にモルト大麦の栽培に適した土地として有名で、ビール醸造に適した環境が整っています。


アイルランドのビール造りは古くからの伝統があり、時代とともにさまざまなスタイルへと進化してきました。昔はホップを使わずに醸造されたエールが主流で、18世紀にはポーターという黒ビールのスタイルも人気となりました。
当時、アイルランドの多くの町には醸造所があり、地域ごとに異なる味わいのビールが造られていました。とくにカーロウ地方は、モルト大麦の栽培に適した肥沃な土地として知られ、今も高品質なモルトを生み出しています。バロー川沿いには、昔のモルトハウスの建物が残っており、当時は川や運河を使ってビールやウイスキーの原料が運ばれていました。
しかし、19世紀以降、アイルランドの伝統的な醸造業は徐々に衰退し、現在では大手の国際的なブルワリーが市場を占めています。そんな中、1980年代からイギリスやアメリカで始まったクラフトビールの復興の波が、1990年代にはアイルランドにも届きました。
O’Hara’sの創業者たちは、アイルランドに新たなクラフトブルワリーの時代を切り開こうとし、マイクロブルワリー(=小規模な醸造所)文化の再生を推進。現在、アイルランドでは数十のマイクロブルワリーが活躍し、多様なスタイルと味わいのビールが楽しめるようになりました。
毎年開催される「アイリッシュ・クラフトビール&サイダーフェスティバル」では、アイルランド内外の多くのブルワリーが一堂に会し、豊かなビール文化を祝福しています。O’Hara’sもその一翼を担い、クラフトビールの新しい可能性を追求し続けています。



いまアイルランドのクラフトビールは、消費者のニーズの多様化とともに急成長中!
パブや酒屋でも豊富な種類が取り揃えられ、これからますます注目の存在となっています。
O’Hara’s(オハラズ)のラベルとデザインに込められた意味


O’Hara’sのラベルは、独特のロゴとシンプルで洗練された配色が特徴。
スタウトは黒いラベルで、一眼見てわかるようビールの個性を色彩で伝えてくれます。
中央に配置されたケルト模様のようなシンボルは、「アイルランドの文化的ルーツ」と「クラフトマンシップの誇り」を象徴しているように感じられます。
ケルト模様とは?


古代ケルト人が作り出した独特の装飾デザイン。渦巻きや複雑に絡み合う線(ノットワーク)が特徴で、自然や生命の象徴としても使われてきました。
アイルランドの伝統文化を代表する模様で、今もアクセサリーやアートに広く取り入れられています。
日本におけるO’Hara’s(オハラズ)の人気と入手方法
O’Hara’sはまだ日本ではギネスほど広く知られていませんが、近年クラフトビール専門店や輸入酒を扱う店舗、ネット通販などでじわじわと人気が高まっています。
「ギネス以外のスタウトを試してみたい」「アイルランドのクラフトを味わいたい」という層に特に評価されています。
また、O’Hara’s全体の価格帯は、日本の輸入クラフトビールとしては比較的リーズナブル。24本入りで8〜9千円台という価格は、クラフトビールとしてはかなりお手頃と言えます。
品質の高さを考えるとコストパフォーマンスが良いでしょう。



アイルランドの伝統とクラフト精神を感じられるビールを、手頃な価格で楽しみたい方にぴったりのブランドですね!


こちらのレッドエールは、鮮やかな赤みがかった色が特徴のビール。カラメル麦芽の甘くて香ばしいコクと、ほんのりローストされた麦芽の深みが感じられます。苦味は控えめで、リンゴやベリーのようなフルーティーな香りがふんわり広がり、飲み口はなめらかで優しい味わい。



食事とも合わせやすく、普段のビールとは一味違った豊かな風味を楽しめますよ。
O’Hara’s(オハラズ)アイリッシュスタウトの味わい方とペアリング
飲み頃温度
適温は10〜12℃。
スタウトは少し常温に近づけることで、香ばしいモルトの風味が際立ちます。
おすすめグラス
パイントグラス、ノニックグラス
適切なグラスで飲むと、泡持ちや香り立ちがよくなり、より豊かな味わいになりますよ。
おすすめな料理、ペアリング
カテゴリ | 食材 | ポイント |
---|---|---|
チーズ | チェダー、ブルーチーズ | スタウトのロースト感と相性抜群 |
肉料理 | グリルステーキ、ラムチョップ | 濃い味付けにもぴったり |
デザート | チョコレートケーキ、プリン | スタウトのビターな甘みと溶け合う |
まとめ
O’Hara’s(オハラズ)のビールを、ブランドの定番スタウトを中心にご紹介しました。
このビールは、深いコクとロースト麦芽の香ばしさが際立つ、本格派クラフトスタウトです。アルコール度数は控えめながら飲みごたえはしっかりしており、スタウトファンはもちろん、ギネスにちょっと飲み飽きたという方にもおすすめできる一本です。
大手のビールとはまた違った個性を持つビールなので、ぜひ飲み比べて楽しんでみてくださいね♪