
Westmalle(ウェストマール)は、ベルギーのウェストマール修道院で醸造される、世界的に有名なトラピストビール。
とくに「トリプル」というスタイルを世界で初めて確立したことで知られます。
クラシックな味わいとモダンな飲みやすさを兼ね備えた、ビール通も唸る逸品です!
Westmalleの”トリプル”を
実際に飲んでみた!







私が初めてこのビールを口にしたとき、まるで赤ワインのような深みを感じるとともに、「液体の芸術品」とも言える繊細で複雑な味わいに驚きました!
泡はもこもこ出てきて、アイスクリームのようにこんもりと盛り上がり、見た目も楽しい〜。
グラスに注ぐと、青りんごや洋梨のようなフルーティーな香りが広がり、口に含むと甘みと酸味、そしてスパイスの刺激が絶妙に絡み合います。
アルコール度数は約9.5%ですが、意外なほど飲みやすく爽快感すら感じられます。
コクのあるしっかりとした味わいと華やかな香りがバランス良く、トラピストビールの中でも一際、完成度が高いと感じた一本です!
オススメ度:★★★★★(5/5)
記事内リンク
WestmalleのTripel(トリプル)って何?Dubbel(ダブル)・Extra(エクストラ)との違いは?
Westmalle(ウェストマール)の基本情報


ビールの種類 | トラピスト・エール |
---|---|
アルコール度数 | 4.8%〜9.5%(種類による) |
原産国 | ベルギー |
発売年 | 1836年 |
色 | ダブル:濃い赤褐色/トリプル:黄金色 |
味わい | フルーティー、スパイシー、ドライなキレ |
特徴 | 世界初の「トリプル」スタイルを確立した先駆者 |
\ 修道院生まれの“本物”の味を1本から /
トラピストビールとは?
Westmalle(ウェストマール)は、前述の通り「トラピストビール」と呼ばれる、厳格な基準を満たした数少ない修道院ビールの一つです。
「トラピスト」とは?
「トラピスト」は、厳律シトー会に属する修道士たちが営む修道院の名称。その活動は祈りと労働に支えられ、「労働を通して神に仕える」精神のもと、ビールやチーズ、パンなどの生産が行われてきました。
トラピストビールの三原則
トラピストビールとして認定されるには、次の3つの条件が必須とされています。
- 修道院の敷地内、もしくは隣接する施設で製造されること
- 修道士たちの監督のもとに製造されること
- 利益は修道院の運営および慈善活動に使用されること



Westmalleも、他のトラピストビールと同様に、これらを忠実に守りながら伝統の味を現代に伝え続けています。
Westmalle(ウェストマール)のトリプルとは?ダブル・エクストラの違いは?


出典:公式サイト
Tripel(トリプル)とは?
トリプル(Tripel)は、主にベルギーの修道院(トラピスト修道院)で造られるビールのスタイルの一つです。
- 名前の由来
「トリプル」という名前は、もともとビールを造るときに使う麦芽や原材料の量が、通常のビールの3倍(トリプル)だったことに由来すると言われています。つまり「3倍の濃さ」や「3倍の強さ」の意味合いがあります。 - 特徴
・アルコール度数が高め(通常8〜10%前後)
・色は淡い黄金色〜濃いゴールド色
・フルーティーで複雑な香り(熟したバナナやスパイス、花のような香りなど)
・口当たりはしっかりしつつ、飲みやすさもあるバランスの良い味わい
・泡はクリーミーで豊か - 歴史
ベルギーのトラピスト修道院で1930年代頃から作られ始め、修道士たちが自分たちのために造ったのが最初とされています。ウェストマールのトリプルは「元祖トリプル」として特に有名です。
Westmalle(ウェストマール)のビール3種類 比較表
種類 | Westmalle Tripel トリプル | Westmalle Dubbel ダブル | Westmalle Extra エクストラ |
---|---|---|---|
画像 | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
色 | 透明な黄金色 | 赤褐色 | 黄金色に近い明るい黄色 |
アルコール度数 | 9.5% | 7% | 4.8% |
味の特徴 | 熟したバナナのようなフルーティーさに、繊細なホップの香りとしっかりした苦味が重なり、クリーミーで奥行きのある味わい。 華やか・リッチで洗練されたビール。 | カラメルやモルトのコクが主体。ほんのりバナナのような甘い香りもあり、甘みと香ばしさのバランスがとれたまろやか系。 | 一番軽やかで飲みやすい。低アルコールながら、ほんのりフルーティーで香りも豊か。のど越しも良く、軽快・爽やかなタイプ。 |
甘さ | ★★ | ★★ | ★ |
苦味 | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
フルーティーさ | ★★★★ | ★★★ | ★★ |
喉ごし | ★★★ | ★★ | ★★★★ |



どちらも上面発酵と瓶内二次発酵を施したビールで味わい深く、トラピストビールならではの個性とクオリティが光ります♪
Westmalle(ウェストマール)の誕生秘話


出典:公式サイト
1、修道院でのビール造りのはじまり
Westmalle修道院では、1836年にビール醸造が始まりました。
修道士たちは自給のために、質素で栄養価のある「液体のパン」としてビールを造っていたのが始まりです。
このビールは、修道生活に欠かせない労働の一環として造られ、外部販売を目的としないものでした。
2、公開販売とレシピの進化
やがて需要が高まり、ビールは徐々に修道院外にも提供されるようになり、スタイルも洗練されていきます。
その中で生まれたのが、後に「ダブル」や「トリプル」と呼ばれるスタイルです。
- ダブル(Dubbel)は、よりコクのある濃色ビールとして進化し、現在のレシピは1926年に確立。
- トリプル(Tripel)は、金色でアルコール度数の高いビールとして、1934年に世界で初めてWestmalle修道院で誕生しました。これが「トリプル」というスタイルの原点であり、のちに他の醸造所にも影響を与えることになります。



現在でもWestmalleのビールは、修道院の敷地内で、修道士たちの監督のもと丁寧に醸造されており、「Authentic Trappist Product(本物のトラピスト製品)」として国際的な認証を受けています。
Westmalle(ウェストマール)のラベルとデザインに込められた意味


Westmalle(ウェストマール)のラベルはシンプルで落ち着いたデザインが特徴です。
中央の「W」のロゴは修道院のシンボルであり、その控えめな色使いや文字の配置は長い歴史と伝統を感じさせます。過剰な装飾を避けたデザインで、修道院の伝統と真面目なものづくりの姿勢を表現していると言えるでしょう。



ラベルからは派手さはなくとも、修道士たちの誇りと品質へのこだわりが伝わってきますね。
日本におけるWestmalle(ウェストマール)の人気と入手方法
日本におけるWestmalle(ウェストマール)の人気は、クラフトビールやトラピストビールの愛好家を中心に高まっています。とくに「トリプル」はその複雑でバランスの良い味わいから、日本のビールファンや専門店での評価が高いです。
今日ご紹介した3種類ともに、日本の大手通販サイトで購入が可能です。
希少性があるため価格はやや高めですが、本格的なトラピストビールを楽しみたい方には人気の銘柄です。
Westmalle(ウェストマール)の味わい方とペアリング


Westmalleの繊細で複雑な味わいは、飲む温度やペアリングでさらに楽しみが広がります。
飲み頃温度
Westmalle(ウェストマール)のダブル(Dubbel) と トリプル(Tripel) は飲む前に少し温度を調整すると、より深い味わいを感じられます。飲み頃温度は以下を目安にしてみてくださいね。
ダブル(Dubbel) | 10〜12℃ |
---|---|
トリプル(Tripel) | 8〜10℃ |
ダブルはコクがあってやや濃厚なので、少し高めの温度で香りや味わいが豊かに広がります。
一方、トリプルは爽やかさと複雑さを両立しているため、もう少し冷やして飲むとバランスよく楽しめます。
おすすめグラス
チューリップ型グラスやゴブレット型グラスが香りを引き立て、泡持ちも良好です。



専用のグラスも日本で売られています。
おすすめな料理、ペアリング
カテゴリ | 食材 | ポイント |
---|---|---|
チーズ | ゴーダ、ブリーチーズ | トリプルのフルーティさと好相性 |
肉料理 | ローストポーク、ソーセージ | ダブルのコクと旨味が肉料理を引き立てる |
魚介 | ムール貝、白身魚のグリル | トリプルの爽やかな味わいとマッチ |
デザート | フルーツタルト、アプリコットケーキ | フルーティーな余韻と共鳴 |


まとめ
Westmalleは、トラピストビールの中でもとくに「トリプルスタイルの元祖」として知られる、名門修道院ビール。
- トリプルはフルーティーかつ力強い味わい
- ダブルはまろやかでバランスの取れた濃色ビール
- 長い歴史と修道士の誠実な手仕事が生み出す芸術品
味の奥行きと香りの豊かさは、飲むたびに新たな発見や感動がありますよ。
ぜひ、修道院ビールの真髄をWestmalleで体験してみてくださいね♪
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