
そもそも「エールビール」って何?
聞いたことあるけど、正直よくわからない…
誰か優しく教えて〜!
そんなふうに感じたことはありませんか?
ビール好きなら一度は耳にする「エール」という言葉。実はラガーとはまったく違う種類のビールで、味も香りもぜんぜん違うんですよ。



今回は、エールビールの基本から、ラガーとの違い、ヨーロッパの代表銘柄、さらには相性抜群のおつまみまで、エールの本場であるヨーロッパからその魅力をたっぷりご紹介します♪
エールビールってざっくり、どんなビール?


エールビールの特徴を簡単にいうと、香りが豊かで味にコクがあり、常温に近い温度で発酵させる上面発酵※ビールです。
ホップの香りやフルーティーな風味が強く、ラガーよりも個性が際立つのが魅力です。苦味や甘味のバランスもさまざまで、クラフトビールに多いスタイルです。
※上面発酵(じょうめんはっこう)とは
発酵のときに酵母が液体の表面(上面)に浮かぶタイプの発酵方法のことです。
詳しくは以下で説明していきますね。
エールビールの「エール」ってどういう意味?
「エール(ale)」という言葉は、古英語 ealu に由来し、これはさらにゲルマン祖語の alu- に遡るとされています。
これらはいずれも、発酵させた麦芽飲料(ビールの原型)を指していました。
中世以降、ホップを加える「ビール(beer)」と区別するため、ホップを使わない伝統的な麦芽飲料が「エール」と呼ばれるようになりました。
エールビールってどこで生まれた?


エール(Ale)はイギリスが発祥の地です。
中世のイングランドでは、前述の通り、麦芽の発酵飲料としてホップを使わない「エール」が主流で、家ごとに自家醸造されていました。
当時のエールは保存性が低くすぐに飲まれる飲料でしたが、後にホップが加わることで風味と保存性が向上し、現在のようなビールスタイルに発展していきました。
今では、エールは「上面発酵ビール」という広いカテゴリ名として使われており、イングランドのみならず、ベルギー、アメリカ、カナダなどでも多種多様なエールビールが造られています。
エールビールの味の特徴
エールビールは、以下のような味わいが特徴です。
- フルーティーな香り
酵母が生み出すエステル香(バナナ、リンゴ、ナッツのような香り)が特徴。 - しっかりとしたコク
麦芽の甘みやロースト感が感じられ、余韻も長め。 - 苦味が程よく効いている
ホップの風味がバランス良く香るものが多く、飲みごたえあり。 - 温度で変化する味わい
少し温度が上がると香りや味が開くので、冷やしすぎないのがポイント。
以下の記事でもぬるめに飲むと美味しいビールとしてエールを紹介しています。


エールとラガーの違いはここ!


「エール」と「ラガー」の違いを一言で言うなら…
以下、詳しく解説します。
項目 | エール(Ale) | ラガー(Lager) |
---|---|---|
発酵の方法 | 上面発酵(上から泡が湧き出る) 常温(15〜24℃)で発酵 | 下面発酵(底で静かに発酵) 低温(7〜13℃)で発酵 |
発酵期間 | 短い(数日〜1週間ほど) | 長い(数週間〜1か月以上) |
酵母の種類 | エール酵母 | ラガー酵母 |
味の特徴 | フルーティー、香り高い、コクがある | すっきり、軽快、のどごし重視 |
代表的な種類 | IPA、ペールエール、スタウト、ベルジャンエール | ピルスナー、ヘレス、ドルトムンダー、ボック |
歴史 | 古代から存在(紀元前〜) | 比較的新しい(15世紀以降、バイエルン起源) |
イメージで言うと?
- エール
クラフトビールでよく見る香りが豊かで濃い味。ワイン好きにも刺さりそう。 - ラガー
日本のスーパーでも売っている“キンキンに冷やして飲みたいビール”。喉ごし重視。



ざっくり覚えるとすれば、エール=香りのビール、ラガー=喉ごしのビールという感じですね!
どっちが好きかは完全に好みですが、例えばドイツやチェコではラガーが圧倒的に主流です。
ビアスタイルの基本については以下の記事で詳しく解説しています。


ヨーロッパの有名なエールビール銘柄
以下、当ブログでも特にアクセス数の多い、ヨーロッパのエールビール2銘柄です。
どちらもエール発祥の地であるイギリスのビールですよ。
フラーズ ロンドン プライド(Fuller’s London Pride)
ロンドンを代表する老舗ブルワリー「Fuller’s」が手掛ける、クラシックなイングリッシュ・ペールエール。
イギリスのパブでは定番中の定番!
炭酸控えめでスムーズな飲み心地、何杯でも飲みたくなる王道エールです。


アルコール度数 | 4.7% |
---|---|
発売年 | 1959年 |
色 | 赤銅色 |
味わい | 甘みと苦味のバランスが絶妙、フルーティーで豊かな風味 |
特徴 | フルラーズ醸造所の代表作、ロンドンの伝統を感じさせるビール |
\ 初めの一本は伝統の味から! /


バス ペールエール(Bass Pale Ale)
世界初の「ペールエール」として知られる歴史的な一本。
ヨーロッパだけでなく、世界中のビールファンから支持され続けている、伝説的な英国エールです。


出典
アルコール度数 | 5.1% |
---|---|
創業年 | 1777年 |
色 | 黄金色 |
味わい | ホップの香りが立ち、モルトの甘みと苦味のバランスが絶妙 |
特徴 | 世界初のペールエール、硬水による独特のコクとキレ |



ただし残念ながら、こちらは現在日本国内で入手が難しい状況です…。
残念すぎますよね…。
なのでペールエールを試したい場合、1本目としては上のフラーズ ロンドンプライドがオススメです♪
エールビールと相性抜群のおつまみ


イギリス伝統料理フィッシュ&チップス
エールビールのコクと香りに合わせるには、以下のような濃いめの味や香ばしい料理がぴったりです。
- フィッシュ&チップス
ロンドンパブの鉄板。タルタルの酸味がエールのモルト感と好相性。 - チーズ盛り合わせ
特にチェダーやブルーチーズなど、強めの味と合わせると香りが引き立ちます。 - ソーセージやローストビーフ
肉の旨みとビールのコクがベストマッチ。 - ナッツやドライフルーツ
軽くつまみたいときにおすすめ。ペールエールの香ばしさとぴったり。



ただしエールビールは単体でも十分楽しめるビールです。
とくにイギリス系のエール(ロンドンプライドやバスペールエールなど)は、モルティーな甘みと穏やかな苦味のバランスが取れていて飲みごたえがあり、食事がなくても満足感がありますよ!
まとめ:エールビールは「香り」と「深み」を楽しむビール
エールビールは、ラガーにはない「香りの豊かさ」や「味の奥行き」を持つ、ビールの奥深さを感じさせてくれる存在です。
とくに「フラーズ ロンドン プライド」や「バス ペールエール」は、エールビールの魅力を知るうえで絶対に外せない一本。
冷たすぎず、ゆっくりと香りを感じながら味わうことで、さらに楽しさが広がります。
あなたもぜひ、エールビールの世界に一歩足を踏み入れてみてくださいね♪