【現地で!実飲レビュー】ピルスナーウルケルの味・値段・意味・国・合う料理は?


ピルスナーウルケルは、チェコを代表するビールで、現在の日本市場のほとんどを占めているピルスナービールの元祖。
ピルスナーを語る上では欠かせない存在です。



このブログを書いている私にとって、この世で最も愛すべきビールです!




(私の宝物の一つ)



私がピルスナーウルケルを初めて飲んだ時、その美味しさに衝撃を受けました。1,000本以上のヨーロッパビールを飲んできて、結局これが世界でいちばん美味しいビールだと思っています。
爽やかなホップの苦味と、まろやかなモルトの甘みが絶妙に調和していて、どんどん飲みたくなります。
飛び抜けた個性はないかもしれない。だけど黄金色の見た目も美しく、泡のきめ細かさも素晴らしい!
最初の一口で虜になり、気づけば何百杯も飲んでいます。
まさにビールの王道を行く味わいです!
オススメ度: ★★★★★(5/5)


ピルスナーウルケルの基本情報|どこの国のビール?味、特徴は?
ビールの種類 | ピルスナー(ラガー) |
---|---|
アルコール度数 | 4.4% |
原産国 | チェコ共和国(旧ボヘミア) |
創業年 | 1842年 |
色 | 黄金色 |
味わい | すっきりとした苦味、バランスの取れたモルトとホップの風味 |
特徴 | 世界初のピルスナー、透明なラガービールの元祖 |
ピルスナーウルケルは、1842年にチェコ共和国のピルゼン(プルゼニ)で誕生し、そのクリアな黄金色と爽快な味わいが、世界中のビール愛好家に革命をもたらしました。
後ほど詳しく説明しますが、「ピルスナーウルケル」という名前はチェコ語で「ピルスナービールの元祖」を意味し、その名の通りピルスナースタイルのビールの原点として今も世界中で愛されています。



ちなみにこのピルスナー・ウルケル、今は日本のアサヒグループ傘下。
日本の会社が関わっていると思うと、なんだか親近感が湧きますよね。
ピルスナーウルケルの値段は?日本で買える?


ピルスナーウルケルはチェコのビールで、ヨーロッパでは広く定番ビールとして親しまれていますが、日本でも購入しやすい海外ビールの一つです。
- 大手オンラインショップや輸入食品店で購入可能
- 缶や瓶のセット販売が中心だけど、1本単位でも購入できることも
- チェコ現地の値段(500ml瓶1本で31.90チェココルナ=210円程度)と比べると値段は高め
- 元祖ピルスナーの味を楽しむ価値は十分あり



ピルスナーの元祖の味は、330ml缶が日本でも1本300円以内で試せるので海外ビール初心者の方にもオススメ。
当ブログでも人気のビールです。





ちょっと割高だけど、雰囲気や本格的な味を味わうなら瓶のウルケルもいいですね♪


ピルスナーウルケルの誕生秘話とこれまでの歴史


実はピルスナーウルケルが生まれた裏側には、ビールの歴史を大きく変える“ドラマ”があったんです。
誕生の背景
ピルスナーウルケルは、1842年に現在のチェコ共和国にあたるピルゼン(プルゼニ)で誕生しました。
19世紀初頭、ピルゼンの街には品質の低いビールが多く、地元の人々の間で不満が高まっていました。この状況を改善するために、当時ピルゼンのビール醸造業者たちは、新しいタイプのビールを作ることを決意しました。


ピルスナーウルケルの生みの親は?
ピルスナーウルケルの誕生に大きな役割を果たしたのは、地元の醸造家ヨセフ・グロル(Josef Groll)でした。
彼は、ドイツで学んだ醸造技術を活かして、ビールの品質を飛躍的に向上させることに成功しました。


ヨセフ・グロル(Josef Groll)
ヨセフ・グロルのプロフィール
- 1813年生まれ、ドイツ・バイエルン地方出身の醸造技師
- 功績
- 1842年、チェコのプルゼニに招かれ、ピルスナー・ウルケルを醸造
- 当時は濁ったエールや黒ビールが主流の時代に、彼の技術によって透き通った黄金色のラガーが誕生
- この「ピルスナー」が瞬く間にヨーロッパ全土に広がり、現在の世界のビールの約7割がピルスナースタイルといわれるほどの影響を与えた
ヨセフ・グロルの豆知識
- グロルは気難しい性格だったとも伝えられていて、プルゼニに滞在したのは数年だけ。
- それでも彼が残した技術とレシピが「ピルスナー・ウルケル」の基礎となり、今も変わらない製法が受け継がれています。
ピルスナーウルケルの成功とその後
新しいビールは瞬く間に地元で人気を博し、ピルゼンでのビール作りの名声を確立しました。その後、ピルスナーウルケルは世界中に広まり、現在のピルスナータイプのビールの基礎を築くこととなりました。
ピルスナーウルケルの誕生は、ビールの歴史において画期的な出来事であり、その後、多くのラガービールがこのスタイルを模倣するようになったのです。
ピルスナーウルケルの3つの革新ポイント


革新ポイント① 黄金色で透き通ったビール <見た目>


当時のビールの多くはエールタイプで濁っており、風味もかなり強いものでした。そこに登場したのが、世界初のクリアで黄金色のラガー「ピルスナー・ウルケル」。トリプルデコクション法や丁寧な発酵・濾過によって、今までにない美しいビールが生まれました。
トリプルデコクション法とは?
ビールの仕込み段階で行う「糖化(マッシング)」の方法のひとつです。
通常は麦芽とお湯を混ぜて温度を上げていくのですが、デコクション法は一部の麦芽液を取り出して煮沸し、それを戻すことで温度を上げます。
「トリプル」というのは、この煮沸→戻す作業を3回繰り返すことを意味します。
革新ポイント② ザーツ産ホップによる爽快な苦味 <味>


醸造家ヨセフ・グロルは、チェコ・ザーツ地方の高品質ホップをふんだんに使用。これにより爽やかな苦味と独特の香りが加わり、世界中で愛される味わいの基盤となりました。
革新ポイント③ ラガー製法の確立 <製法>
低温でゆっくり発酵・熟成させるラガータイプの製法を取り入れたことで、安定した品質とスッキリした飲み口を実現。他のエール系ビールとは一線を画す存在になりました。
現代的な設備ではステンレスタンクも使われますが、醸造所ツアーで見学できる 地下セラー(貯蔵庫)では、今もオーク樽を用いて伝統的な発酵が続けられています。


ピルスナーウルケルの名前の意味


ピルスナーウルケルの「ピルスナー」はチェコの都市ピルゼン(またはプルゼニ)(Plzeň)に由来し、「ウルケル(Urquell)」は、ドイツ語で「元祖」や「起源」を意味します。
この名前は、ピルスナーウルケルがピルスナータイプのビールの起源であることを示しています。
現在の日本でピルスナービールが主流になったのはなぜ?


日本では、ラガービール、とくにピルスナーに近いスタイルのビールが主流です。
これは、明治時代に日本にビール文化が伝わったとき、ヨーロッパで人気のあったピルスナービールが広まったためです。
とくにアサヒビールやキリンビールは、ピルスナースタイルのビールを採用し、日本市場に大きな影響を与えました。
ピルスナーウルケルがそのピルスナーの元祖であり、日本のビール産業にも多大な影響を与えたことを考えると、現在の日本のビール文化は、ピルスナーウルケルなくして語ることはできません。
ラガーとピルスナーの違いは?
- ラガーは一般的な低温発酵のビールスタイルで、すっきりとした味わいのものが多いですが、ホップの使用量やフレーバーに幅があります。
- ピルスナーは、ラガーの中でも特にホップの風味が強く、爽やかで苦味がしっかり感じられるスタイルです。



ピルスナーウルケルは日本人にも親しみやすい味なので、海外ビール初心者の方へのプレゼントにもおすすめです。
実際に、日本で暮らす父に贈ったところ、大喜びしてくれましたよ!
\ ピルスナーウルケルといえば、このジョッキ! /
ピルスナーウルケルの特徴と味わい方、よく合う料理


ピルスナーウルケルの大きな特徴は、すっきりとした苦味とバランスの良いモルトの甘みです。前述したザーツホップが、ビールに独特の香りと苦味をもたらし、これが飲み口の爽やかさを生み出しています。
また、ピルスナーウルケルはクリアな黄金色で、見た目の美しさも魅力の一つ。泡立ちもきめ細かく、長持ちします
ビールを飲む際には、しっかり冷やして(6〜8度程度)、冷えたグラスにゆっくりと注ぐことで、その香りと味わいを最大限に楽しむことができますよ。
ピルスナーウルケルとよく合う料理
ピルスナーウルケルは ホップの香りと苦味が爽やかで軽め なので、味が濃すぎない料理ならほとんどの食べ物と相性がいいです。
- 脂っこいもの → 苦味でさっぱり
- 塩味やスパイス → ビールの爽快感が引き立つ
- 魚介や野菜 → 軽やかな味わいを邪魔しない



つまり、ビール単体でも楽しめるし、どんな料理とも合わせやすい万能タイプ」であることもピルスナーウルケルの魅力ですね。


生肉料理とピルスナーウルケルの樽生は最強ペア!
まとめ
ピルスナーウルケルは、世界中のビール愛好家に愛され続けるピルスナービールの元祖。その透明で美しい黄金色と、すっきりとした苦味、モルトの甘みが絶妙にバランスを取った味わいは、何度飲んでも飽きがこない魅力を持っています。
日本でもピルスナービールが愛されているのは、このビールが存在しているからこそです。
次にビールを選ぶときには、ピルスナーウルケルを手に取って、その味わいを楽しんでみてくださいね!