
ブドヴァイゼル・ブドバーは、ピルスナー・ウルケルに次いでチェコを代表するラガービールの一つ。
国営ブルワリーとして今も100%国が所有し、伝統と品質を今も守り続けています!
実際にブドバーを飲んでみた!




(たまに、ですよ〜!)
ヨーロッパ生活、ビール好きには最高の環境♡



私がこのビールを飲んだ印象は、まろやかで落ち着いた苦味と、麦芽の甘みがじんわり広がる“静かな余韻を楽しむラガー”。
同じチェコの代表格・ピルスナーウルケルが「華やかでキレのある王道ビール」とするなら、ブドバーは「重厚でどこか控えめ、職人気質な一本」。
派手さはないけれど、飲むほどに良さが染みてきます!
オススメ度:★★★★☆(4/5)
Budweiser Budvar(ブドヴァイゼル・ブドバー)の基本情報
ビールの種類 | ピルスナー |
---|---|
アルコール度数 | 5.0% |
原産国 | チェコ |
発売年 | 1895年 |
色 | 黄金色 |
味わい | フルーティーで、バランスの取れたホップの香り |
特徴 | 地元の素材を使用し、伝統的な醸造法で作られた |
ブドヴァイゼル・ブドバーは、チェコのブジェヨヴィツェ市(České Budějovice)で誕生した本格的なピルスナーです。クリアで黄金色のビールは、まろやかな味わいと爽やかな後味が特徴で、どんな料理とも相性が良いのが魅力です。



チェコのビールといえばピルスナーウルケルが有名ですが、現地ではこのブドヴァイゼル・ブドバーもよく飲まれていますよ。
\ 本場のピルスナーは日本でも気軽に楽しめる /


Budweiser Budvar(ブドヴァイゼル・ブドバー)の歴史


■ 1895年|民族の誇りをかけて創業
ブドヴァイゼル・ブドバーのルーツは1895年、チェコ南部の町チェスケー・ブジェヨヴィツェ(ドイツ語名ブドヴァイス)に誕生した「チェコ株式ブルワリー」。
当時、ドイツ系市民が中心だった市営ブルワリーに不満を抱いたチェコ人の醸造家たちが、民族的自立のシンボルとして立ち上げました。
■ 1930年|「Budvar」ブランドを商標登録
1930年、「Budvar(ブドヴァル)」の名で輸出向けラガーの商標登録を行い、世界での成功を収めます。1936年には社名にも「Budvar」を採用しました。
■ 1967年|国営ブルワリー「Budweiser Budvar」が誕生
旧市営ブルワリーとの統合を経て、国営企業「Budweiser Budvar, N.P.」が発足。
(N.P. はチェコ語で「国営企業」のこと)
伝統製法を守りながら、チェコ政府のもとで輸出にも力を入れ、規模を拡大していきます。
■ 1996〜2016年|急成長の20年、生産・輸出ともに大台突破
近代的な設備投資により、1996年には年間生産量が初めて100万ヘクトリットルを突破。
その後も成長を続け、2016年には累計輸出量が5,000万ヘクトリットルを超え、創業当初(35,223ヘクトリットル)からは想像もできない規模に拡大しました。



ブドヴァイゼル・ブドバーは、ただの老舗ではなく、
チェコ人の誇りを背負い、伝統を守りながら世界に広がった「国民的ビール」なんですね!
「Budweiser」の名前の由来は?


「Budweiser Budvar(ブドヴァイゼル・ブドバー)」という名前には、このビールの出身地であるチェコ南部の街、チェスケー・ブジェヨヴィツェ(ドイツ語名:ブドヴァイス)が深く関係しています。
- Budweiser(ブドヴァイゼル) は「ブドヴァイス産の」という意味のドイツ語。
- Budvar(ブドバー) は同じく「ブドヴァイスに由来するもの」という意味のチェコ語。
つまり、「ブドヴァイゼル・ブドバー」は“ブドヴァイスの町にルーツを持つビール”であることを、ドイツ語とチェコ語の両方で強調している名前なのです。
この名称には、何世紀にもわたるビール醸造の伝統と、地元の誇りが詰まっています。
なぜドイツ語「Budweiser」が使われているの?
「ブドヴァイゼル・ブドバー」という名前の前半、Budweiser(ブドヴァイゼル)は、前述の通りドイツ語で「ブドヴァイス産の」という意味。これは、このビールの出身地であるチェコの街「チェスケー・ブジェヨヴィツェ(České Budějovice)」が、かつてドイツ語で「ブドヴァイス(Budweis)」と呼ばれていたことに由来します。
この街は歴史的にドイツ系住民が多く、長くドイツ語圏の文化の影響を受けてきた場所でした。19世紀末、ブドヴァイスではドイツ系とチェコ系の両方の醸造所があり、それぞれが「Budweiser Bier(ブドヴァイスのビール)」として販売していたのです。



つまり、「Budweiser」という名称は地理的な由来を示すだけでなく、当時の言語・民族的背景を反映したものなんですね!
アメリカのバドワイザーとの関係性


実は、チェコの「ブドヴァイゼル・ブドバー」とアメリカの超有名ビール「バドワイザー(Budweiser)」は、名前のルーツを同じくする存在です。
19世紀後半、アメリカでアンハイザー・ブッシュ社が自社ビールに「Budweiser(バドワイザー)」と名付けました。これは、チェコのビールの名産地であるブドヴァイス(Budweis)=チェスケー・ブジェヨヴィツェにちなんだもので、ドイツ語風の名前を用いたことで“本格派のヨーロピアンラガー”を演出しようとしたのです。
しかし、問題はその後…!
世界を巻き込んだ“名前争い”
チェコのブドヴァイゼル・ブドバー醸造所は、まさに「本家」ブドヴァイスの地で長年ビールを造ってきた老舗。このため、両者は「Budweiser」の名前の商標権をめぐって、100年以上にわたって世界各国で法廷闘争を繰り広げてきました。
その結果、現在では…
- アメリカとカナダでは → アンハイザー・ブッシュ社のみが「Budweiser」を使用可能
- EUや一部の国々では → チェコの「ブドヴァイゼル・ブドバー」だけが「Budweiser」と名乗れる



つまり、国によって“Budweiser”が意味するビールが違うという珍しい状況なのです。
この商標問題のため、チェコの「Budweiser Budvar」は、北米など時に「Czechvar(チェコバー)」というブランド名で販売されています。
Budweiser Budvar(ブドヴァイゼル・ブドバー)のラベルの秘密


Budweiser Budvarのラベルデザインは、一見シンプルながらも伝統・誇り・品質保証を物語る要素が詰まっています。
特徴① 手書き風ロゴ
- エンブレムにある筆記体のBudweiser Budvarのロゴは、伝統的な風格とクラシックさを演出。
- とくに「Budweiser」の部分が大きく目立つようデザインされています。
特徴② 赤・白・金の色使い
- 赤はチェコ国旗の色でもあり、力強さと情熱を象徴。
- 白は純粋さ、透明度のあるラガーを連想。
- 金はプレミアム品質の証として世界的に用いられる色。
この3色で、チェコの誇りとプレミアムラガーとしての地位を訴えかけています。
特徴③ 王冠やエンブレムの装飾
- ラベル中央や上部には、王冠や盾をモチーフにした装飾。
- これは、かつて神聖ローマ帝国の皇帝御用達の街・ブドヴァイスという歴史的背景に基づくものです。チェスケー・ブジェヨヴィツェ(ブドヴァイス)は、かつて神聖ローマ皇帝の直轄都市として栄え、ビール造りの伝統と誇りを伝える街でした。



Budweiser Budvarのラベルは、「本家本元のプライド」「チェコの伝統」「プレミアム品質」を視覚的に訴える、洗練された設計になっているんですね!
Budweiser Budvar(ブドヴァイゼル・ブドバー)の特徴と味わい方
温度
6〜8℃が飲み頃です。
グラス
ストレートタイプのピルスナーグラスがおすすめ。香りが立ち、黄金色の美しさも引き立ちます。


相性の良い料理
ローストチキン、白身魚のグリル、チーズ、シュニッツェルなど、軽めの肉料理と好相性◎



Budweiser Budvar は、ゴクゴクと飲むよりも、一口ずつ丁寧に味わいたいビール。
どちらかというよりも苦味より、旨みやバランスを楽しみたい人にぴったりの一本です!
Budweiser Budvar(ブドヴァイゼル・ブドヴァル)の醸造所見学


ブドヴァイゼル・ブドバーの醸造所は、前述の通り、チェコの美しい町チェスキー・ブデヨビツェにあります。近くには世界遺産のチェスキークルムロフもあり、観光と合わせて楽しめる人気スポットです。
見学ツアーは約90〜120分。醸造所の歴史や伝統的な製造工程を間近で見学でき、発酵タンクや熟成庫の様子も体感できます。ツアーの最後には、代表的なビールのテイスティングもあり、新鮮な味わいを楽しみながらビール造りの魅力を深く理解できる貴重な体験です。
見学は予約制なので、訪問前に公式サイトでの確認と予約をおすすめします!季節やイベントによって特別プログラムがある場合もあるので、訪問計画の参考にすると良いでしょう。
公式サイトへ(英語ページ)
詳細は


ビール好きにとって、歴史と技術を学びながら実際のビールを味わえる最高の機会ですよ♪
日本におけるBudweiser Budvar(ブドヴァイゼル・ブドバー)の位置づけ
日本でもBudweiser Budvar(ブドヴァイゼル・ブドバー)は流通しています。
チェコの伝統的なラガービールとして、輸入ビールやクラフトビールを扱う専門店、オンラインショップ、さらには一部の飲食店でも取り扱われており、とくにビール愛好者や輸入ビールファンの間で注目されています。
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まとめ
ブドヴァイゼル・ブドバーは、チェコの伝統を受け継ぐまろやかなピルスナーラガー。
麦芽の甘みと控えめな苦味が心地よく、飲むほどに味わい深さが増します。
日本でも手に入りやすく、普段のビールタイムを特別にしたい方にぴったりなので、ぜひ一度試して、その静かな余韻を楽しんでみてくださいね♪