
ヨーロッパ、特にドイツなどではビールを常温で飲むって本当?
どうしてぬるいビールが出てくるの?
こんな疑問にお答えします!
- ヨーロッパのビールがぬるい理由(実際は冷たいビールが主流)
- ぬるい温度で美味しくなるビールの種類
- ヨーロッパにもグラスを冷やす文化はある?
- ホットビールの意外な楽しみ方
「ヨーロッパのビールはぬるい」という噂を耳にしたこと、ありませんか?
実際、ヨーロッパではビールを冷たくしすぎない文化があるのでしょうか?それとも単なる誤解なのでしょうか?
この記事では、ヨーロッパの実際のビール事情や、ぬるい温度で美味しく楽しめるビールの種類などについて、ヨーロッパ在住の私が自身の体験談を交えてお伝えします!
ヨーロッパではビールがぬるいって本当?常温なの?


「ヨーロッパのビール、なんでこんなにぬるいんだろう?」
この疑問、私もヨーロッパ旅行をしている時に感じたことがあります。しかし、実は「ヨーロッパ全体でビールがぬるい」というのは、半分誤解です。もちろん、ぬるく感じることもあるかもしれませんが、ヨーロッパのビールは基本的に冷たく提供されることが多いのです。
実際にヨーロッパでは、ビールは冷蔵庫でしっかり冷やして提供されるのが一般的。特に大手のビールメーカーやパブでは、日本と同じように冷たいビールが楽しめますし、日本と同じく夏場は普通に冷蔵庫で4度程度に冷やして飲むことも多いです。
しかし、あえてぬるめの温度で飲むと美味しいビールを飲む場合や、地下室のような涼しい環境で保存されていた場合には、ビールが「ぬるい」と感じられることがあるかもしれません。
例えば、ドイツのビール文化では、地下室にビールが保管されることがよくあります。ドイツの地下室は乾燥していて、ひんやりとした温度が保たれており、自然にビールが適切な温度で冷やされます。これによって地下室にビールを置いておくだけで「ぬるくない、ちょうど良い温度」でビールを楽しむことができるのです。なので、これが「ビールがぬるい」と感じられることがある理由の一つと言われています。
さらにビールを冷やしすぎると味のバランスが崩れてしまうため、あえて少し温度を上げて飲むことで、より風味を感じることができると考えられています。
つまり、ヨーロッパでは「ぬるい」というよりは「冷やしすぎない」文化が根付いていると言えるでしょう。
どんなビールはぬるい温度で飲むと美味しい?


ぬるい温度で楽しむビールの種類には特徴があります。ヨーロッパでは、いくつかのビアスタイルは冷えすぎると風味が失われてしまうため、10度前後など少しぬるめの温度で楽しむのがベストです。
- エール(Ale)
イギリスやベルギーなどで人気のエール系ビールは、ぬるめの温度だとその複雑な味わいが引き立ちます。とたえばパブで出されるエールは冷蔵庫から出したての冷たいものではなく、少しぬるめで提供されることもよくあります。エールは、少し温度が上がることでフルーティーな香りや複雑な味を楽しむことができ、これがまた絶妙な味わいとなります。
エールビールのおすすめビール:ロンドンプライド - スタウト(Stout)やポーター(Porter)
濃い色合いとコクのある味わいが特徴的なスタウトやポーターも、ぬるい温度でその風味をしっかりと感じることができます。アイリッシュスタウトなどは、冷たすぎるとチョコレートやコーヒーのような深い味わいが隠れてしまうため、少し温度が上がるとその魅力が引き立ちます。
スタウトのおすすめビール:ギネス - ベルギー・トラピストビール
ベルギーのトラピストビールやダークエールも、冷やしすぎるとアルコール感が強くなりすぎたり、味が濃くなりすぎてしまうことがあります。少しぬるめの温度で飲むことで、ビールの豊かな香りやスパイシーな風味がしっかりと感じられ、バランスの取れた味わいを楽しむことができます。
トラピストビールのおすすめビール:シメイ



私自身も上の写真のイギリスのパブで、初めてぬるいエールを飲んだ経験があります。
最初は少し驚きましたが、時間が経つにつれて、その深い味わいをしっかりと感じることができて、とても満足しました!


日本みたいにグラスまで冷やす文化はある?


では、ヨーロッパで「グラスを冷やす文化」はあるのでしょうか?



実際、私はヨーロッパに住んでいて、グラスを冷やしてビールが出されたシーンは見たことがありません。
日本の居酒屋やビアホールでは、ビールを提供する前にグラスを冷やして出すことが一般的ですが、ヨーロッパではあまり見られないというのが現実です。
特に、イギリスやベルギーでは、ビールグラスにこだわりを持っているため、冷やすよりもそのグラスの形状や素材に重点を置いています。冷えたグラスよりも、ビールの香りがしっかりと引き立つようなグラスを使用することが重視されており、グラスを冷やすことはあまり一般的ではないようです。


ホットビールって?


最後に、ちょっとユニークな飲み方ですが、「ホットビール」についても触れておきます。ホットビールという言葉を聞くと、多くの人が驚くかもしれませんが、ヨーロッパでは一部の国で寒い季節にホットビールを楽しむ文化があります。
例えば、ドイツでは冬の時期に「グリューワイン」というホットワインを楽しむ習慣がありますが、ビールを温めて飲む「ホットビール」もあります。これにスパイスやフルーツを加えることで、温かいビールを楽しむことができます。もちろん、これは珍しい飲み方ではありますが、寒い冬の夜に体を温めながら飲むビールとして、特にドイツやオーストリアなどの一部では親しまれている飲み方です。
ホットビールは、通常のビールとはかなり異なる味わいを持っています。基本的には温かいビールにスパイスやフルーツを加えて作るため、アルコール感が強くなく、温かい飲み物として楽しむことができます。
まとめ
ヨーロッパやドイツではビールがぬるいというのは、実際には半分、誤解です。ヨーロッパのビールは、一般的には冷たく提供されることが多いですが、冷やしすぎると風味が損なわれるため、少しぬるめで飲まれることもあります。特にエールやスタウト、ベルギーのトラピストビールなどは、少しぬるい温度でその豊かな風味を楽しむことができるでしょう。
また、グラスを冷やす文化はほとんどなく、代わりにビールの味わいを最大限に引き出すためのグラス選びが重視されています。そして、ホットビールは一部の寒冷地域で楽しむ珍しい飲み方として存在しています。
次回ヨーロッパでビールを楽しむ際には、少しぬるめのビールに挑戦して、その土地ならではの味わいを楽しむのも面白いかもしれませんね♪
ドイツビールについては以下の記事で詳しく解説しています。

